DOCSシアター

「生き抜く」をテーマに、現役の映画監督が選んだ珠玉の作品をお届けします。


2024年度 上映作品

■ 2024年10月26日(土) 17:00~  終了しました   

  ※DOCSワンコインシアター

フツーの仕事がしたい

2008年(2024年リマスター)/日本/DV/70分/カラー 

監督・撮影・編集 : 土屋トカチ

制作 :  白浜台映像事務所、映像グループ ローポジション


21世紀に甦る、リアル「蟹工船」。 

皆倉信和さん(36歳)は、根っからの車好き。高校卒業後、運送関係の仕事ばかりを転々とし、現在はセメント輸送運転手として働いている。しかし、月552時間にも及ぶ労働時間ゆえ、家に帰れない日々が続き、心体ともにボロボロな状態。 「会社が赤字だから」と賃金も一方的に下がった。生活に限界を感じた皆倉さんは、藁にもすがる思いで、ユニオン(労働組合)の扉を叩く。ところが彼を待っていたのは、会社ぐるみのユニオン脱退工作だった。

生き残るための闘いが、否が応でも始まった。 


2009年 レインダンス映画祭(イギリス・ロンドン)
ベスト・ドキュメンタリー賞受賞

2009年 ドバイ国際映画祭(アラブ首長国連邦・ドバイ)  
アジアアフリカ部門 最優秀ドキュメンタリー賞受賞 


料金・会場など

【料金】
一律500円 (ワンコインシアター価格)

【定員】
各回40名程度

【参加方法】
下記「お申し込み」から必要事項にご記入の上、送信ください

【会場】
横浜市ことぶき協働スペース
〒231-0026  横浜市中区寿町4−14  横浜市寿町健康福祉交流センター2階

■ 2024年1006日() 14:00~  終了しました 

  ※当初、2024年8月31日(土)開催予定でしたが、台風の影響により延期を致しました。

わたしを演じる私たち

2024年/89分 監督:飯田基晴


まだ見ぬ先へ

2021年に横浜で始まったOUTBACKアクターズスクール。精神疾患を持つ人たちが、自らの実体験を盛り込んだ演劇公演に挑む、その過程に密着した。メンバーの豊かな個性がそのまま劇中のキャラクターとなり、それぞれの困難な人生が、ユーモアに反転されて物語へと紡がれる。公演が近づくにつれ、緊張から体調を崩すメンバーも現れる。舞台というフィクショナルな空間に各々の人生が凝縮され、演劇はドキュメンタリーへ変容する。


撮影:飯田基晴 常田高志 土屋トカチ
編集:飯田基晴
監督:飯田基晴
製作:映像グループ ローポジション
助成:横浜市地域文化サポート事業・ヨコハマアートサイト2022


~OUTBACKアクターズスクールについて~

コミュニケーションに苦手意識を持つことの多い精神障害当事者にとって、演劇は他者と関わる練習になります。失敗をしてもやり直せるし、失敗から気づきを得たり、面白い場面が生まれることもあります。スクール生たちの中には、病を経ることで、例えようもないほどの苦しみや葛藤を抱えてきた人も少なくありません。ですが、その経験故に得た生き抜く強さ、知恵、豊かな人間性があると思っています。そうした個性を演劇という装置で解き放った時、魅力的な姿とともに、多くの人の心に響く表現が誕生すると考えています。 《text by 中村マミコ(OUTBACKアクターズスクール校長)》 


料金・会場など

【料金】
一般:1,200円
学生、障害のある方、ワークショップ受講生:1,000円
18歳以下:500円

【定員】
各回40名程度(立ち見あり)

【参加方法】
下記「お申し込み」から必要事項にご記入の上、送信ください

【会場】
横浜市ことぶき協働スペース
〒231-0026  横浜市中区寿町4−14  横浜市寿町健康福祉交流センター2階

2023年度 上映作品

■ 2023年8月5日(土) 16:00~   ※終了

あしがらさん

監督:飯田基晴 2002年/73分

あしがらさんは長年新宿の路上で暮らす。残飯で飢えをしのぎ、誰とも付き合わない。あるとき彼の笑顔に触れた監督は「このひとをもっと知りたい」と撮影を始める。ポツポツと語られる言葉に耳を傾け、二転三転する状況に寄り添う。3年におよぶ撮影で生まれた信頼が、思いがけぬ変化をもたらす。新たな人生を歩み出すあしがらさんの姿は、私たちに微笑みと希望を与えてくれる。

公式サイト:http://www5f.biglobe.ne.jp/~ashigara/

「ホームレス」と出会う子どもたち

監督:神吉良輔 2009年/30分

なぜ若者や子どもによる「ホームレス」襲撃が起きるのか?大阪・釜ヶ崎にあるこどもの里が行う「子ども夜まわり」の活動を軸に、参加する子どもたちの変化、ホームレス生活を送る鈴木さん(64歳)の仕事や生活、その思いに迫る。 さらに「ホームレス」襲撃問題をとおして、居場所(ホーム)なき子どもたちの弱者いじめの問題を問い直す。

公式サイト:http://hc-net.org/materials/dvd/

※上映終了後に、監督(飯田基晴)とゲストによるトークあり。

ゲスト:北村年子(ホームレス問題の授業づくり全国ネット代表・ルポライター)
ルポライター、ノンフィクション作家、ラジオパーソナリティ、自己尊重トレーニング・トレーナーと幅広く活動しており、ホームレス問題の授業づくり全国ネットの代表を務めている。著書に『「ホームレス」襲撃事件と子どもたち―いじめの連鎖を断つために』等。

■ 2023年9月2日(土) 16:00~   ※終了


アリ地獄天国

監督:土屋トカチ 2019年/98分

とある引越会社。社員らは自らの状況を「アリ地獄」と呼ぶ。それは、長時間労働を強いられ、事故や破損を起こせば借金漬けに陥る状況を指す。営業職の34才の男性は異議を唱え、一人でも入れる労働組合に加入した。すると、粉塵の舞うシュレッダー係へ配転、のちに懲戒解雇に追い込まれ、事由を記した「罪状ペーパー」なる掲示物までもが、全国支店に貼りだされてしまう。生き残るための、労働映画(ロードームービー)

公式サイト:https://www.ari2591059.com

※上映終了後に、監督(土屋トカチ)によるトークあり。

■ 2023年10月14日(土) 16:00~   ※終了

東京干潟

監督:村上浩康 2019年/83分

多摩川河口で暮らす80代のホームレスの老人の生き様に迫る。シジミ取りの名手として、寒い日も暑い日も干潟に浸かり、大粒のシジミを採る。そこで得た稼ぎの大半は、捨て猫たちの餌代に費やされる。孤独なようで、様々に人と支えあい、いざという時は人助けも厭わない。波乱に富んだ彼の人生を追い、日本社会が抱える様々な問題を浮き彫りにし、戦後から令和にかけての現代史をも鳥瞰する。都市の最下流から世界が見えてくる。新藤兼人賞2019金賞/門真国際映画祭2019最優秀賞作品賞。

公式サイト:https://higata.tokyo/

※上映終了後に、監督(村上浩康)によるトークあり。

■ 2023年11月4日(土) 16:00~   ※終了

破片のきらめき 心の杖として鏡として

監督:高橋愼二 2008年/80分

精神科病院の中にある造形教室。ここには様々な困難を抱えた人たちがやってくる。カメラは彼らとの10年にわたる交流を経て、現代に稀に見る“魂の営みの場”を捉えた。病んでいる”といわれる人たちの描き出す作品群は、現代社会が見失ってしまったもの、私たちにとってかけがえのないものを鮮明に浮かび上がらせる。彼らの描いた作品と彼ら自身の生きる姿を通して本作は、“病む”とは何か、“表現”とは何か、そして“生きる”とは何かを静かに問いかけます。第14回ヴズール国際アジア映画祭【仏】観客賞・ドキュメンタリー最優秀作品賞。

公式サイト:https://www.hahennokirameki.com/

※上映終了後に、監督(高橋愼二)によるトークあり。

■ 2023年12月10日() 13:30~   ※終了

ガーダ パレスチナの詩

監督:古居みずえ/2005年/106分

フォトジャーナリスト、古居みずえが、現代パレスチナの女性の生きざまをとらえたドキュメンタリー。ガザ地区難民キャンプで生まれ育ったガーダは、古い因習に立ち向かう自立心旺盛な女性。抵抗運動で親戚の少年が殺されたことを契機に、民族が追われた故郷の歴史をたどり始める。封建的な男性社会であるパレスチナでは、女性たちの声が聞え難い。古居は、ガーダの23歳から35歳までの結婚や出産などの出来事を追いながら、男性のジャーナリストでは撮影する事が不可能な貴重な映像を紡ぎ、難民キャンプで生きる人々のリアルな日常を描き出す。困難な状況の中、故郷の料理や歌い継ぐべき詩歌を残そうと奔走する女性の成長ぶりが深い感動を生む。

公式サイト:https://tofoofilms.co.jp/catalog/catalog-110/

※上映終了後に、監督(古居みずえ)によるトークあり。

※トーク終了は 16時ごろを予定。